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平和業界に"予防"を Special Support 日本紛争予防センター

「残念ながら戦争はビジネスです。そうである以上、"武器をなくそう"と掲げても現実味がない。予防すること自体がビジネスにならない限り、戦争がなくなることはないでしょうね」

そう語るのは、東京外国語大学で『平和構築・紛争予防専修コース』の講座長を務める伊勢﨑賢治氏。このコースは他に類を見ないカリキュラムで、生徒はすべて紛争国出身者。イラク、アフガニスタンを始め、ミャンマー、ボスニア、ソマリアなど様々な留学生がいる。内容も、危機管理や調査分析方法論など実践的な技術から、『ピース・コミュニケーション』という平和を構築するための広告論を取り入れるなど、紛争が起きる原因を科学的に研究し、現場にフィードバックするために開設された。

伊勢﨑氏は、現在は学問の世界に身を置いているが、前歴は紛争の現場。9.11以降に混迷したアフガニスタンで、日本政府特別代表として"武装解除"の任務を成功させてその名が知られるようになったが、国連の任務で行った東チモールやシエラレオネでの実績により、国際社会ではすでに高い評価を受けていた人物である。現在、日本紛争予防センターの理事も務めている。

「"紛争解決人"という肩書きで紹介されることもありますが、僕は自分自身を"紛争屋"だと思っています。僕の仕事も、貧困を救うNGOも、紛争によって存在しているという意味で、すべて"紛争ビジネス"に組み込まれているのです」

平和を構築する"現場のイメージ"は湧きづらい。実際は、矛盾との葛藤に満ちている。伊勢﨑氏が武装解除を行った『シエラレオネ内戦』でのこと。12年の間に約50万人が虐殺された内戦。それほどの内戦を終結させるために当時のアメリカが先導した和平協定の内容は、国際社会に大きな議論を呼び起こした。虐殺の首謀者である反政府軍のリーダーを、シエラレオネの副大統領に据えるという前代未聞の"恩赦"を与えたという。

「アメリカを批判するのは簡単ですが、一刻も早く終結させるには他に方法はなかったと思います。そもそも和平合意をする時に、争っている双方が"平和の価値"を見出して自ら銃を置くことは絶対にありえません。平和構築はそんなに生易しいものではない。僕が行った"武装解除"も、人を殺した兵士たちに恩恵を与えていく行為です。武器を手放すことで仕事を与え、食糧を与える。つまり、利害調整です。しかし、"正義"を犠牲にして作った"平和"なのです」

正義か平和か? いったん紛争が起きてしまうと、正義を踏みにじることでしか平和を構築できないからこそ、彼は紛争"解決"から紛争"予防"へと転身した。

そもそも"予防"とは何か。日本には"予防"の概念が根付いている分野がある。一つは地震に対する『防災』。もう一つは病気に対する『予防医療』。近年では「生活習慣病」という言葉を意識させたことで、予防医療はビジネスとしても成功を収めた。共通しているのは、「起きることを前提にしている」ということだ。いつか地震は起きる。人は必ず病気になる。この前提を共有することで、初めて人々の意識は対策へと向かう。

紛争は起きる。この前提は果たしてネガティブだろうか。「正義」と「平和」が遠のいてしまった時代に生きる者として、これを"人類の新たな気づき"とポジティブに捉えて予防策を本気で考えることができるかが、いま問われている。

プロジェクトのサポート総額

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  • 団体名称 : 特定非営利活動法人 日本紛争予防センター(JCCP)
    ※認定NPO法人のため、寄付金控除の対象となります。
  • 代表者名 : 瀬谷ルミ子(事務局長)
  • 主な活動地域 : 東部アフリカ、ケニア、スーダン、ソマリア、バルカン地域
  • スタッフ構成 : 常勤スタッフ23名、非常勤スタッフ21名(国内外含む)
  • 所在地 : 東京都文京区関口1-35-20 藤田ビル3F
  • Tel : 03-5155-2142
  • Mail : contact@jccp.gr.jp
  • HP : http://www.jccp.gr.jp/
  • 活動目的 : 紛争地の人々が生きるための選択肢を得て、希望を再び取り戻すことができるよう、必要な支援を行う。
  • 活動内容 : 紛争で失われた人生の選択肢を人々が取り戻すための平和構築、紛争予防活動。避難民の生活支援、女性や若者の自立支援、子どもなど紛争被害者の心のケア、民族の相互理解の促進、現地NGOの能力強化支援など。国内では「紛争地を知り、平和について考える場づくり」として、セミナーや講演会、啓発活動を実施。
  • サポート支援金で出来ること : 500円で、アフリカの紛争でトラウマを負った子どもや女性1人が、心のケアを受けることができる。